夜の空港は、思ったより賑やかだった。
もっと、肌を刺すような冷たさだとか別れの寂しさの余韻が残っているかとばかり。
だったら大丈夫だと思っていたのに。
こんなに賑やかだったら、俺の虚しさが際立つじゃないか。
土産屋に、変な顔のツバメのキーホルダーが売っている。鮮やかすぎる橙色の胴体に、押したらキュッと鳴るお腹。
あいつが好きなキャラのグッズだ。ちょっとしたことであいつとの思い出が蘇って、息が吸いづらくなる。
「っ、、、」
なんで、あいつは、、、、!
「あ、あの、大丈夫ですか、、、?」
「はい、すみません。ほっといて、ください」
情けないほど掠れた声が出た。声をかけてくれた女性は、心配そうにこちらを伺っている。
俺はそんなに酷い顔をしているのか?
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空港を出ると、ひんやりとした秋の空気が肌に触れた。思わず身震いをする。
空を見上げると、星が何粒か煌々と光っていた。
あいつは、この空に消えていったんだ。もう、会えない。あいつの言葉も、もう二度と。
だって。
今日、煙になって空に登っていったんだから。今は、あいつの葬式の帰りなんだからさ。
「くそっ、、、!なんで、あいつが、、、!なんでだよっ、、、」
上着のポケットに乱暴に手を突っ込むと、何か感触があった。なんだこれは、紙、、、?
「やっほー蒼!今頃きっと、私がいなくなったからって空でも見上げて泣いてそうだね!
いや、君は負けず嫌いの意地っ張りだから泣いてないか!
ごめんね、何も言わずに旅立っちゃって。置いてっちゃって。
私、蒼に伝えたいことがあるの。」
「あいつ、、、?なんで、こんなものを、、、?」
文章はここで途切れている。なんだったんだよ、お前が伝えたいことって!急に現れて、俺の感情乱すなよ、、、!
言いたいこと、あるんだろ!?出てこいよ、幽霊でもなんでもいいから。唇を強く、強く噛み締める。
でも、奇跡は起こらない。あるのは、あいつが書いた簡潔な手紙。それから、ツバメが黄色いガーベラを咥えている、絵。
そういえば、あいつは花言葉とか好きだったな、、、。
っもしかしたら。
慌ててスマホを開く。
俺を心配する母親からの着信があるが、そんなことに構っていられない。
ツバメの意味、黄色いガーベラの花言葉、、、、。
そこには。
⦅離れていても、いつも一緒だよ。あなたを愛しています⦆
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